地球にやさしい都市づくりをめざして──丸の内熱供給株式会社は、21世紀の都市環境を守るエネルギーシステム、地域冷暖房を提供しています。
既存・新設プラントのネットワーク化を図り、最新・高効率プラントを優先運転することで、国内外には見られないエリアならではの効率向上効果を得ています。エリアと共に進化しながら全体のエネルギー効率を常に高効率化していく、いわゆる「スパイラルアップ効果」(※)により、省エネルギー・低炭素化を推進していきます。既に冷水連携5カ所、地区間蒸気連携1カ所を構築し、今後のプラント更新や再開発計画時にも更にスパイラルアップを図っていきます。
(※)スパイラルアップ効果…
年間冷熱供給量の70~80%は、ピーク負荷30%以下の部分負荷時の供給によるものです。部分負荷時は最新・高効率プラントのみをフル稼働させ、その
冷熱をネットワークにより既存プラントに融通させることにより連携プラント全体が最高効率プラントの効率に引き上げられます。このように、プラントの新設と既存プラントの更新を進めネットワーク化することで常に最新の高効率設備を広く共有させることができ、連続的にエリア全体の効率を向上させることを「スパイラルアップ効果」と呼んでいます。
当エリアでは、電源の自立分散化を図るため、ガスを燃料として電気と熱を生み出すコージェネレーションシステム(CGS)の導入が積極的に進められています。その際、排熱の有効活用が重要となりますが、当社はCGSの排熱を蒸気配管ネットワーク網を通じて複数のビルにおいて面的に活用することができるため、CGSのエネルギーの総合効率を経済的に向上させることができます。BCDの強化が求められているこのエリアでCGS導入をバックアップしてまいります。
都心部では得にくい未利用エネルギーを、新しい考え方を積極的に採用することで取り込み、高効率ヒートポンプ技術を活用して無駄なく利用します。
未利用熱には下水道熱利用がありますが、手洗水等を便所洗浄水に利用する中水は比較的きれいで温度が高いことから熱を取り出して、蓄熱槽とヒートポンプシステムにより温水を製造します。未利用エネルギーの有効利用を図るとともに、エネルギー効率を向上させます。
冬期に冷却塔で大気中に排気する排熱を温水として回収し、熱の有効利用を図ります。
【例】■冬期のビルからの排水熱 ■冬期に冷却塔から出る排熱
全体の85%を占めるベースロード負荷に対して、COPの非常に高いダブルバンドルターボと空冷ヒートポンプによる運転とし、朝の立ち上げ時などの瞬時ピーク負荷には熱供給能力が高く制御しやすい蒸気熱源とすることにより、ハイブリッド自動車における低速時は電気モーターと回生電力、加速や高速時はエンジンとすると同様なハイブリッドによって、低コストと高COPを推進しています。
既に供給する冷水の水量や差圧など、お客様設備における制御弁などの開度情報をもとに、必要な圧力・水量を最小限とするスマート化による搬送動力の低減化を開始しています。また、今後は再開発に併せ、エリアに張り巡らされた地域洞道を活用して、冷水、蒸気・温水のみならず非常用水や電力のネットワークを順次構築し、エリア全体のエネルギーマネジメントにも積極的に取り組んでいきます。
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